便秘症とは、便が十分に排出されず、「便が出にくい」「残便感がある」「排便時につらさを感じる」といった状態が続く病気です。
単に排便回数が少ないだけでなく、ご本人が不快や苦痛を感じている状態を便秘症と考えます。
便秘症の原因はさまざまで、複数の要因が関与することも少なくありません。
これらの症状が続く場合は、生活習慣の見直しや必要に応じた薬物療法、さらに原因を詳しく調べるための検査を受けることが大切です。
また、症状や経過によっては、検査が必要となる場合もあります。
便秘症の治療では、腸の動きや便の性状に応じた内服治療を行います。
便をやわらかくする薬、腸の水分分泌を促す薬、腸管運動を調整する薬などを適切に使い分け、排便を無理に促すのではなく、自然な排便リズムの改善を目指します。
症状の経過や副作用に注意しながら、必要に応じてお薬の種類や量を調整します。
このほか、便秘予防のための生活習慣の改善や排便を習慣化していくことも大切です。
具体的には、食物繊維が豊富な食品や水分をしっかりとる、便意があれば我慢しない、運動を適度に行い腸の蠕動運動を活発化させて、便通を改善させる等も行っていきます。
便秘の症状や治療薬は多岐に渡っており、当クリニックでは個々の状態に合わせて適切な診断、治療を行います。
潰瘍性大腸炎は、大腸の内側の粘膜に炎症が起こり、びらんや潰瘍ができる慢性の病気です。炎症は大腸全体ではなく、主に直腸や結腸から始まることが多く、病気の程度や範囲によって症状はさまざまです。
症状は軽い時期と強くなる時期(再燃期)を繰り返すことが多く、慢性的に経過します。
潰瘍性大腸炎の明確な原因はまだ完全には解明されていませんが、免疫の異常や腸内環境の乱れ、遺伝的要素、ストレスなどが関与していると考えられています。
潰瘍性大腸炎の治療の中心は、内服や注腸による薬物療法です。
症状や炎症の範囲に応じて薬を使い分けます。
軽症~中等症の炎症に用いられる基本薬です。
内服薬・注腸薬で炎症部位に直接作用し症状増悪時の炎症を抑えるとともに再燃予防(寛解維持)にも効果あります。
5-ASA製剤でコントロールの難しい中等症~重症の再燃時に使用します。
炎症を強力に抑える治療薬ですが、長期使用は副作用があるため徐々に減量していきます。
なお症状増悪時の炎症を抑える効果はありますが、再燃予防(寛解維持)の効果はありません。
アザチオプリンや6-メルカプトプリンなどの薬のことで、増悪時に炎症を抑えるステロイドの使用量を減らすと再燃する(ステロイド依存例)場合に、寛解維持のために使用します。
上記投薬で改善に乏しい方に使用することが多い薬物です。
炎症をターゲットに直接抑えることができる薬で、近年新薬の開発が盛んに行われています。
10種類以上の薬から個々の症状やライフスタイルにあった薬を選ぶことができます。
過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)は、大腸に明らかな炎症や腫瘍などの異常がないにもかかわらず、腹痛や便通異常が慢性的に続く病気です。
日本人でも比較的多くみられ、日常生活の質(QOL)に大きく影響することがあります。
※症状には個人差があります。
敏性腸症候群の種類は、便の性状によって以下のタイプに分けられます。
過敏性腸症候群は単一の原因ではなく、複数の要因が関与して発症すると考えられています。
過敏性腸症候群は、他の病気を除外したうえで診断されます。
主な検査方法は以下のとおりです。
過敏性腸症候群の診断には、やはり器質的疾患(大腸がんなど)が重要です。
当クリニックでは症状がある方には積極的に大腸カメラを提案させていただきます。
過敏性腸症候群の治療は大きく生活習慣の改善、食事療法、薬物療法に分けられます。
など
症状や病型に分けて以下のような投薬が行われます。
当クリニックでは、症状の経過や生活背景を丁寧に伺い、必要に応じて検査を行ったうえで、患者様一人ひとりに合った治療方針をご提案します。
大腸ポリープとは、大腸の粘膜にできる隆起性の病変です。
多くは良性ですが、一部のポリープは時間の経過とともに大腸がんへ進行する可能性があります。
特に「腺腫性ポリープ」は、大腸がんの前段階と考えられており、早期発見・切除が重要です。
大腸ポリープでは多くの場合、自覚症状がありません。
ポリープが大きくなると、以下のような症状がみられることがあります。
大腸ポリープは、健診の便潜血検査や大腸内視鏡検査で偶然発見されることが多い病変です。
当クリニックでは、10mm以下の大腸ポリープに関しては、大腸内視鏡検査中にその場で切除することが可能です。
ポリープを切除することで、将来の大腸がん予防につながります。
10mmを超える大きなものは入院での対応が必要になるため、提携病院と連携して加療を行います。
大腸がんは、大腸(結腸・直腸)の粘膜から発生するがんです。
多くの場合、大腸ポリープが時間をかけてがん化することで発生すると考えられています。
日本では増加傾向にあり、男女ともに発症する身近ながんの一つです。
早期の段階では自覚症状が乏しく、健診や内視鏡検査で偶然見つかることも少なくありません。
これらの症状がある場合は、早めの検査が重要です。
大腸がんの治療は、がんの進行度(ステージ)や部位、全身状態に応じて以下より選択されます。
早期の大腸がんで、がんが粘膜内にとどまっている場合には、大腸内視鏡による切除(ポリープ切除・内視鏡的切除)が可能なことがあります。
がんが進行している場合には、外科手術による切除が基本となります。
病変の部位や進行度に応じて、適切な術式が選択されます。
切除不能ながんに対しては、年齢や全身状態を考慮したうえで、癌の進行を遅らせたり症状を緩和したりするために化学療法、放射線療法を選択します。
当クリニックではこれらの治療を適宜選択し、必要に応じて提携病院と連携して治療を進めます。