胆のう結石

胆のう結石(胆石症)とは、胆のうの中に石(胆石)ができる病気です。
胆汁の成分バランスが崩れることで石が形成され、多くの場合、腹部エコー検査で発見されます。なかでもコレステロール胆石が多く、日本でも増加しています。

胆のう結石の主な原因

  • 胆汁成分の異常
  • 肥満や急激な体重減少
  • 妊娠・出産
  • 脂質異常症
  • 加齢

胆のう結石の主な症状

胆のう結石は無症状のことも多いですが、結石が胆のうの出口や胆管を塞ぐと症状が現れます。

  • 右上腹部やみぞおちの痛み
  • 食後の腹痛(特に脂っこい食事後)
  • 吐き気・嘔吐
  • 発熱(炎症を伴う場合)

重症化すると、急性胆のう炎や胆管炎を引き起こすことがあります。

診断をつける場合は、腹部超音波検査で結石の有無を調べます。
また血液検査で肝・胆道系酵素の数値をチェックすることもあれば、腹部CT等の画像検査を行うこともあります。

胆のう結石の治療について

無症状の場合は、経過観察を行うことがあります。
ただし、以下のような場合には治療が必要となります。

  • 症状がある場合
  • 痛みや炎症を繰り返す場合
  • 無症状でも総胆管結石が疑われる場合

当クリニックでは、腹部エコーや血液検査を用いて評価を行い、入院治療が必要な場合は提携病院への紹介も含めて適切な対応を行います。

胆のうポリープ

胆のうポリープとは、胆のうの内側の壁から盛り上がるようにできる病変の総称です。
多くは腹部エコー検査で偶然発見され、良性のものがほとんどです。
胆のうポリープにはいくつかの種類があります。

種類 特徴
コレステロールポリープ 最も多く、良性で経過観察となることが多い病変です。
炎症性ポリープ 胆のうの炎症に伴って生じることがあります。
腺腫性ポリープ まれですが、悪性化の可能性があるため注意が必要です。

胆のうポリープの主な症状

胆のうポリープは、ほとんどの場合自覚症状がありません。
したがって、患者様ご自身が発症に気づくことはなく、健診などによる腹部エコーなどで発見され、指摘されることで分かるということがほとんどです。

胆のうポリープの治療について

多くの胆のうポリープは治療を必要とせず、定期的な経過観察を行います。
しかし以下の場合には、より慎重な評価や専門医療機関への紹介を検討します。

  • ポリープが大きい場合(一般に10mm以上)
  • 短期間で増大している場合
  • 形状が不整な場合

当クリニックでは、腹部エコー検査を用いてポリープの大きさや形状を評価し、適切なフォローアップを行っています。

慢性膵炎

慢性膵炎は、膵臓に慢性的な炎症が繰り返し起こることで、膵臓の組織が徐々に壊れ、線維化していく病気です。
進行すると、消化酵素やインスリンの分泌が低下し、消化不良や糖尿病を引き起こすことがあります。

慢性膵炎の主な原因

  • 長期間の過度な飲酒(最も多い原因)
  • 喫煙
  • 胆石・胆道疾患
  • 脂質異常症
  • 遺伝的要因
  • 特発性(原因が特定できないもの)

慢性膵炎の主な症状

発症早期は無症状なことが多いですが、進行すると様々な症状がでてきます。

  • 食後の腹痛、腹部不快感
  • 体重減少
  • 下痢、脂肪便(便が白っぽく、浮きやすい)
  • 糖尿病の発症
  • 上腹部から背中にかけての痛み

慢性膵炎の検査・診断について

慢性膵炎の診断には、問診、診察及び以下の検査を組み合わせて行います。

  • 血液検査(膵酵素、栄養状態など)
  • 腹部エコー
  • CT・MRI検査

慢性膵炎の治療について

慢性膵炎の治療は、進行を抑え、症状を和らげることが目的となります。
第一に行うこととして、以下の生活習慣の改善が挙げられます。

  • 禁酒(最も重要!)
  • 禁煙
  • 脂肪を控えた食事
  • 少量頻回の食事

また痛みや下痢症状が強い場合、以下の治療を行います。

  • 消化酵素補充療法
  • 胃酸分泌抑制薬
  • 鎮痛薬
  • 血糖管理(必要に応じて)

また、症状の原因に膵管狭窄や膵石などがある場合には、内視鏡治療や外科的治療が検討されることがあります。

当クリニックでは、腹部エコーや血液検査を用いた評価を行い、必要に応じて提携病院と連携し、適切な治療につなげます

急性膵炎

急性膵炎は、膵臓に急激な炎症が起こる病気で、強い腹痛を伴うことが特徴で、治療が遅れ重症化すると命に関わることもあります。
早期診断と適切な治療が非常に重要な疾患です。

急性膵炎の主な原因

  • 過度の飲酒(男性の原因で最多)
  • 胆石(女性の原因で最多)
  • 高中性脂肪血症(脂質異常症)
  • 薬剤性
  • 特発性(原因不明)

急性膵炎の主な症状

  • みぞおちから上腹部にかけての強い痛み
  • 背中へ放散する痛み
  • 吐き気・嘔吐

急性膵炎の検査・診断について

急性膵炎が疑われる場合、以下の検査を行います。

  • 血液検査(膵酵素の上昇)
  • 腹部エコー
  • CT検査(重症度評価)

腹痛、膵酵素上昇、画像上の膵腫大の3つの項目のうち2つを満たせば急性膵炎と診断されます。

急性膵炎の治療について

急性膵炎の治療は、入院での加療が原則となります。
まずは、十分な輸液、鎮痛薬処置、抗菌薬処置(必要に応じて)を行います。
重症急性膵炎では、全身管理目的に集中治療や専門施設での管理が必要となる場合があります。

また症状が改善したあとも、原因によってそれぞれ以下の対応が必要となります。

原因 治療方法
胆石 内視鏡治療や胆のう摘出術
アルコール 禁酒指導。

当クリニックでは、腹痛や血液検査所見から急性膵炎が疑われた場合、速やかに精密検査・入院加療が可能な医療機関へご紹介します。

膵臓がん

膵臓がんは、膵臓にできる悪性腫瘍です。
膵臓はお腹の後ろの方(後腹膜)に位置しており、初期段階では自覚症状がほぼなく、早期発見が難しいがんとして知られています。

進行すると周囲の血管や胆管など消化液の通り道に進展し、痛みや発熱、皮膚の黄染など様々な症状が出てくることがあります。
他の消化器癌と比較して比較的進行が速いがんとしても知られており、現在早期発見の方法が色々な施設で模索されております。

膵臓がんの主な原因

  • 喫煙
  • 長期間の飲酒
  • 慢性膵炎
  • 糖尿病
  • 肥満
  • 家族歴

膵臓がんの主な症状

初期には症状が出にくいですが、進行に伴い以下の症状がみられます。

  • みぞおちや背中の痛み
  • 食欲不振、体重減少
  • 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
  • 全身のだるさ
  • 新たに発症・悪化する糖尿病

膵臓がんの検査・診断について

膵臓がんが疑われる場合、以下の検査を行います。

  • 血液検査(腫瘍マーカーなど)
  • 腹部エコー
  • CT・MRI検査
  • 超音波内視鏡

特に初期の検査として、腹部エコーでの主膵管(膵液の流れる通り道)拡張が、膵臓がんを早期発見する所見として重要です。

膵臓がんの治療について

膵臓がんの治療方針は、がんの広がり(切除可能性)と全身状態を総合的に評価して決定されます。
現在は、画像検査により切除可能性に基づく分類が用いられています。

R膵癌(Resectable:切除可能膵癌)

がんが膵臓内にとどまり、重要な血管への浸潤がない、または軽度の段階です。
そのため、根治を目指した治療を行います。

  • 外科手術による完全切除が可能
  • 手術前に腫瘍を小さくする目的で術前化学療法を行うことが一般的

BR膵癌(Borderline Resectable:境界切除可能膵癌)

がんが周囲の血管に部分的に接しているおり、そのまま手術すると、がんが残る可能性がある段階です。
治療を組み合わせることで切除を目指します。
具体的には、術前化学療法(±放射線療法)を行い、がんを小さくしてから手術を検討します。

UR膵癌(Unresectable:切除不能膵癌)

がんが主要血管に強く浸潤している、または他臓器に転移がある段階です。
外科的切除は困難であり、主に病気の進行を抑え、生活の質を保つ治療が中心となります。

  • 化学療法が治療の中心
  • 放射線療法、粒子線治療
  • 疼痛などの症状緩和を目的とした投薬

当クリニックでは膵癌が疑われる場合は化学療法、外科手術両方とも対応が可能な提携病院と連携し速やかにご紹介します。